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個人で事業を売却するには?方法・相談先・相場・税金をわかりやすく解説!

個人事業主が事業売却を行う際の方法、相談先、相場、税金について詳しく解説します。適切な手続きを理解し、円滑な事業売却を目指しましょう。

1.事業売却とは?個人事業主が知っておくべき基本情報

個人事業主であっても、適切な手続きを行えば事業売却は可能です。個人事業主とは、「法人化せずに事業を行う人」を指し、日本には多くの個人事業主が存在します。しかし、高齢化や後継者不足により、廃業する事業主が増えているのが現状です。近年では、こうした状況を打開する手段として、個人事業の売却を選択するケースが増えています。
事業売却とは、事業譲渡とも呼ばれ、事業の全部または一部を第三者に売却することを指します。事業売却には以下の2種類があります。

 

全部譲渡:事業のすべてを売却します
一部譲渡:特定の事業や資産のみを売却します

事業売却の対象となるのは、単なる設備や権利だけではなく、取引先、仕入れ先、販路といった経済的価値のある無形資産も含まれます。特に、事業のブランドやノウハウといった無形財産が含まれる場合、売却価格に「のれん代」が加算されることが一般的です。

2.事業売却の主な方法

親族や従業員への譲渡

個人事業主は、法人とは異なり、株式譲渡や会社分割といった手法を用いることができません。そのため、以下のような売却方法が選ばれることが多いです。

 

家族や信頼できる従業員に事業を売却・引き継ぐ方法です。
経営方針の維持がしやすい反面、資金調達が課題になることもあります。

第三者への売却(M&A)

事業に興味を持つ企業や個人へ売却するケースです。
M&Aプラットフォームや仲介会社を利用することが一般的です。

3.事業売却の相談先と選び方

事業を売却する際、最大の課題は「適切な買い手を見つけること」です。後継者がすでにいる場合はスムーズに進みますが、そうでない場合は次のような方法が有効です。

M&A仲介会社

近年、個人事業主向けのM&A仲介会社が増加しており、売却のサポートを受けられます。
事業の評価、買い手探し、交渉までトータルで支援してくれます。

税理士・会計士・弁護士

税理士やM&Aアドバイザーに相談し、適切な売却戦略を立てましょう。
法務・税務の専門知識を得ることができ、トラブル回避につながります。

4.事業売却の相場と評価方法

事業売却の相場は、譲渡する資産の時価に営業権の価値を足すことで算出できます。営業権とは、無形資産の一種であり、事業の価値を示す重要な要素です。

営業利益や収益の評価

事業を高値で売却するためには、営業利益や収益などを数値化し、明確に買い手へ伝えることが重要です。買い手は、買収によって損をしたくないため、以下の点を重視します。

 

事業が現在どれほどの利益を生み出しているのか
今後の収益性に期待できるか
事業の成長性や競争力がどの程度あるか

 

そのため、過去の利益実績や将来の見通しを示すために、詳細な財務データを整理し、買い手に提示することが求められます。

 

さらに、不要なコストを削減し、経営状態を改善することも重要です。事業の効率化を図り、より魅力的な売却案件とすることで、より高い売却価格を引き出すことができます。

営業権(のれん)の価値算定

一般的に、営業権の算定方法は以下の通りです。

 

純資産の額+営業利益の3年分
経常利益の5年分

 

これらの基準のいずれかに基づいて、売却価格が決定されることが多いです。ただし、買い手が事業の将来性をどの程度評価するかによって、価格は大きく変動する可能性があります。そのため、事業の強みや将来性を適切にアピールすることが非常に重要です。

 

具体的な売却相場を知りたい場合は、M&A仲介会社や事業売却の専門家に相談することをおすすめします。

5.事業売却に伴う税金と対策

事業売却を行う際には、適切な税務対策を講じることが不可欠です。事業売却にかかる税金は、主に以下の2種類です。

所得税

事業売却で得た資金には所得税が適用されます。所得税には2つの課税方式があり、売却する資産の種類によって異なる計算方法が適用されます。

 

分離課税:土地、建物、借地権、株式などの売却で得た所得に適用され、税率が比較的低めに設定されています。
総合課税:分離課税に該当しないすべての所得が対象となり、累進課税の仕組みに基づいて税率が決まります。

 

どの計算方式が適用されるかは複雑なため、事業売却を行う際には専門家と相談することをおすすめします。

消費税

事業売却では、売却資産に消費税が適用されることが一般的です。2022年9月現在、売却価格に対して10%の消費税が課され、売却する側が納税義務を負います。

 

ただし、以下の資産は消費税の対象外です。

 

土地
有価証券
債権
生活用資産(自家用車など)

 

事業用と個人用を兼ねる資産については、使用割合に応じた課税が適用されるため、慎重な計算が求められます。

税金対策のポイント

適切な税務戦略を立てる:税理士などの専門家と協力し、適用される税率を最小限に抑える方法を検討しましょう。
不要なコストを削減する:売却前に経費を最適化し、事業の価値を高めることで、より良い条件での売却を実現できます。
早めに相談する:事業売却を計画する段階で税理士やM&A専門家に相談し、スムーズな売却を進めましょう。

6.事業売却の手続きと流れ

事業売却には、計画的な手続きが不可欠です。以下に、スムーズに売却を進めるための主要な手順を解説します。

売却先の決定

事業売却を決めたら、まず売却先を選定します。すでに後継者がいる場合は問題ありませんが、第三者への売却を考えている場合は早めの準備が必要です。買い手探しに時間がかかることもあるため、M&A仲介会社などの専門家に相談することをおすすめします。

必要書類の準備と提出

廃業届の提出

売却が決まったら、税務署に『個人事業の開業・廃業等届出書』を提出します。一般的には廃業後1カ月以内に提出が必要ですが、地域によって異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

青色申告の取りやめ手続き

青色申告をしている場合は、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出します。これは、廃業した翌年の3月15日までが期限です。

事業廃止届の提出

消費税の課税事業者である場合、「事業廃止届出書」の提出が求められます。他の書類とともに準備して、税務署に届け出ましょう。

関係者への連絡

売却手続きが完了したら、関係者や取引先に事業売却の報告を行いましょう。個人事業は経営者の信用による部分が大きいため、丁寧な説明が求められます。新たな契約内容についても確認し、円滑な引き継ぎを進めてください。

まとめ

事業売却は、単なる「撤退」ではなく、新たな可能性を生む戦略的な選択肢の一つです。個人事業主が事業を売却するには、適切な準備と買い手探しが不可欠です。専門家のサポートを受けながら、自身に最適な売却方法を見つけ、スムーズな事業譲渡を実現しましょう。

 

事業の売却を検討している方は、M&A仲介会社や専門家への相談を早めに行い、スムーズな売却を目指してください。